荒木仁志(2020-2021年度会長)

 

会長挨拶

 

 この度栄誉あるサケ学研究会会長に就任しました、北海道大学農学部の荒木です。折しも新型コロナウイルスの流行で世界中に様々な影響が出ており、学会・研究会のような大勢での集まりの自粛が続いています。サケ学研究会の年会もここ数年は12月開催としてきましたが、2020年内に対面式の大会を開催できるか、あるいは何らかの代替措置をとるか、幹事会での議論を始めたところです。当研究会に限らず、当面は難しい判断となりますが、会員の皆さんに広くお知恵をお借りしながら様々な形でこの研究会を盛り上げていこうと考えております。

 

 近年のサケ来遊数減少で漁業者をはじめ関係者の皆さんも悩みが尽きないことと思います。また世界的に種苗放流・自然再生産の両立による資源の安定化と持続可能な漁業の必要性が叫ばれるなか、人手不足で何をどうしたらよいのか、といった声も聞かれます。地球環境は大きく変動しており、慎重な仮説検証や大規模な調査・実験を必要とする科学者の知見が直ぐにこれらの問題を解決できるわけではないにせよ、問題を共有し、協力し合いながら様々な問題解決や順応的資源管理、生物・生態系へのより深い理解に繋げられる場(フォーラム)としてのサケ学研究会を目指していきたいと考えています。また何より、「サケに象徴される身近な生物と共存できる社会」を健全な形で次の世代へバトンタッチする、それがこの研究会の担う大きな役割の一つです。会員の皆様には引き続き当会の運営にご協力よろしくお願いいたします。